Xotic(エキゾチック)はアメリカのプリアンプやエフェクターで有名なブランド。1998年に創業した比較的歴史が浅いブランドですが、その品質の良さより世界中で愛用されています。
特にEP BoosterはXoticの名を不動のものとしたといっても過言でないほどに人気のブースターです。
EP Boosterの外観と機能
コンパクトで頑丈な筐体
非常にコンパクトな筐体に、コントロールが1つと、まさにシンプル・イズ・ベストな仕様です。頑丈で激しいスイッチングでも問題なく、小さいですが高級感があります。
EP Boosterの最大の魅力ともいえる音質
ほとんど歪まないが、単純に音が大きくなるだけではなく、マイルドに太くなるような印象で、ギターの音を前に押し出してくれるようなイメージで抜けが良い音になります。
ツマミは”0”でもわずかにブースターがかかって音が変わります。少しコンプレッサーのような効果も加わり、弾き心地が気持ち良くなる印象です。
ツマミを上げていくと音量がより大きくなり、音が太くなる印象で、チューブアンプのような音圧がでます。
歪みと合わせると太くマイルドになり、聞きやすく抜ける音になります。
他の楽器の音に埋もれてしまう時などに使用すると、決して邪魔な感じではなくギターの音が前に出ます。
EP Boosterの効果(周波数解析)
OFF(バイパス)時とON時を周波数解析で比較すると、音の特徴は大きくは変化せず、全体的にブーストしています。若干ですが音のキメが細かくなっている印象も受けます。元の音色を損なうことなく、全音域をブーストさせていることが分かります。
(コントロールツマミ:12時位置)
EP Boosterの便利な使い方
リードプレイ
エフェクターで歪みを作る場合、歪みの前にEP Booster を接続することで、ブースターとしての力が発揮されリードサウンドにコシが出て抜ける音になります。
ツマミ位置を”5~10(MAX)”で調整するとグッと前に出る音になります。
クリーンブースター
このEP Boosterはクリーンやクランチサウンドで特にその特徴や良さが実感しやすいです。
ツマミ位置が”0”でも音にコシが出て、元の音色を変えずに太く艶やかな音になります。
またモジュレーションや空間系などを使用したときの音痩せや抜けの悪さも解消してくれます。
ツマミを上げていくとEP Boosterの特徴がより出てきます。ただし上げ過ぎると音量が大きすぎたり、少し歪み成分が混じったような音色になりますので注意が必要です。
ツマミ位置は”0~5”くらいで調整すると原音を活かしつつ、太く艶やかな音になります。
プリアンプ効果
エフェクターの後にEP Boosterを接続して常にONで使用すると、歪みは持ち上げられ音を前に押し出してくれます。
この使い方は非常におすすめで、EP Booserをプリアンプ的に使い、好みのエフェクターやアンプと組み合わせると良いです。
ツマミ位置は”0から少し上げる”程度でも非常に良い効果を得られます。
ディップスイッチでブースト範囲を調整
EP Boosterの内部(フタを開ける)とディップスイッチと呼ばれる切替スイッチが2個内蔵されています。
スイッチを切り替えるとブースト範囲を変更することが可能で、EP Boosterに個性(クセ)を加えることが出来ます。
スイッチ機能
- スイッチ1:+3dbゲイン(ベースブースト)スイッチ
- スイッチ2:ブライトスイッチ
スイッチ1は実際には+3dBゲイン・アップではあるのですが、ベースが大きくなることからベースブーストとも呼ばれます。このベースブーストスイッチとブライトスイッチを切り替えることで、ブースト範囲と音のキャラクターを変えることが出来ます。
スイッチ切り替えによる音色
- 1:ON 2:ON →出荷初期のサウンド
- 1:ON 2:OFF →低音域ブースト
- 1:OFF 2:ON →高音域ブースト
- 1:OFF 2:OFF →少しこもったようなビンテージサウンド
内部にあるスイッチの為に頻繁に操作は出来ませんが、歪みで音が耳ざわりな時、低音をタイトにしたい時など、ディップスイッチの切り替えも試してみると良いでしょう。
電圧で音色を変える
EP Boosterは9V~18Vまでの外部電源に対応しており、電圧により音色が変化します。電圧を上げると歪みにくくなり、また少し個性(クセ)が出てくる印象です。
EP BoosterのブランドXoticより電圧コンバーターが発売されていますので、これを活用すると音作りの幅が広がります。(9Vを15V/18Vに昇圧、低ノイズで安定した電源を供給)
まとめ
クリーンブースターの定番として人気があるEP Boosterですが、音が太くなり抜けが良くなる効果が魅力的です。ツマミを上げると音量が音圧が大きく上がる為、ブースターとして音を前に出したい時に活躍します。
またおすすめはプリアンプ的に使用する方法で、一度使うとOFFでは音が物足りなく感じます。
決して安いエフェクターではなく、ツマミも1個とシンプルな仕様ですが、ブースターやプリアンプなど使い方は幅広く、コンパクトでペダルボードにも組み込みやすいおすすめエフェクターです。
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