Free The Toneの高機能ディレイFLIGHT TIME(フライト・タイム)。
世界初リアルタイムBPMアナライザー、ディレイタイム・オフセット機能搭載の高音質デジタルディレイ。2016年に生産完了になったFT-1Yの後継機種として更なる進化を遂げFT-2Yが販売されています。
FLIGHT TIMEの多彩な機能
ディレイ効果を細かく調整
音量の調整
ディレイ音量、フィードバック量、アウトプット音量をそれぞれ数値で設定できます。
フィードバック量は100%以上にも設定できる為、ディレイの音量がリピートごとに増えるフィードバックエフェクトをかけることができます。
アウトプット音量は”70”で入力した信号が同じ音量で出力します。さらに”99”で+3dBのブースト効果が得られます。
ディレイの音色
LPF(ローパスフィルター)で設定した周波数(kHz)以上をカットできます。このLPFの設定によりテープエコーのようなウォームなディレイを得ることができます。
HPF(ハイパスフィルター)で設定した周波数(kHz)以下をカットできます。低音域にフィルターをかける事で、音をぼやけさせず、フレーズが輪郭を失わないようにすることができます。
ディレイのテンポ
ディレイのテンポを複数の方法で設定できます。
BPM(Beats Per Minute = 1分間の拍数)でディレイのテンポを設定できます。設定範囲は30~300BPMとディレイタイム0.2秒~2秒まで調整できます。
TAP機能を使用して、フットスイッチを2回押して1回目と2回目の間隔からBPMを自動で算出してくれます。
MIDIクロック機能で外部MIDI機器のMIDIクロックを受信することで、テンポを同期させることができます。
ディレイの音符を設定できます。基準テンポを4分音符として1拍:”1”、2分:”2”…と数値で設定することができます。
モジュレーション効果
ディレイ音にモジュレーションのエフェクトをかけることで、音に広がりを出すことができます。
RATE(モジュレーションのスピード)とDEPTH(モジュレーションの深さ)を数値で設定できます。
プリセット機能
設定した状態を記録できるプリセット機能により、直ぐに設定を変更できます。プリセット数は99個(ユーザープリセット数:90、ファクトリープリセット数:9)と豊富に記録できます。
ホールド機能
フットスイッチでディレイ音をホールドできます。ホールドしたディレイ音に重ねて演奏することも可能です。
オフセット機能
±99msecの範囲でディレイタイムをずらす設定ができます。短く設定するとスピーディーな勢いのあるディレイに、長く設定するとゆったりとした感情豊かな表現のディレイにすることができます。
BPMアナライザー機能
外部の音を集音し、リアルタイムで解析してティレイテンポ(BPM)を自動調整してくれます。調整範囲は±20%と、ある程度のテンポのズレはカバーできます。
ライブで曲の速さに合わせてディレイテンポをリアルタイムで調整してくれるのは非常にありがたいです。
REC & REPEAT機能
フットスイッチで入力信号を録音しリピート再生できます。20秒間の録音が可能で、リピート音に合わせてプレイできます。
トレイル機能
プリセットの切替時、ディレイ音を残したまま新しいプリセットに切り替えることができます。プリセット切り替え時にディレイ音が「プツッ」と途切れる違和感がありません。
FLIGHT TIMEの外観と機能
フロントパネル
各設定値が7セグメント数字で表示されます。
フットスイッチは2個。左の”ON/OFFスイッチ”でディレイエフェクトのON/OFF、録音や再生の停止を行えます。右の”TAP-PLAYスイッチ”でTAPテンポを入力、録音したフレーズの再生、プリセットの呼び出しが行えます。
リアパネル
入出力端子類として、IN(入力端子)、OUT(出力端子)、HOLD(HOLD/REC用外部端子)、MIDI IN・OUT/THRU(外部MIDI接続端子)があります。
FLIGHT TIMEの特徴
32ビット高精度DSPによる高速演算処理ができるとのことで、ディレイ音質はクリアで広がりがあり、非常に心地よいサウンドを簡単に作れます。
特に演奏に合わせてディレイテンポを自動で調整してくれる機能は非常に便利です。ねらった拍数でディレイをかけたい場合など、ライブでは曲の速さが変わってズレることもありますが、これは強い味方といえます。
細かな設定をプリセットし、MIDIで外部機器で操作できるので、ペダルエフェクターとしての使用方法だけでなく、ラックマウントエフェクターのようにプログラマブルスイッチで集中管理も可能。
これらの特徴よりプロミュージシャンに愛用されている理由がわかります。定価46,200円と決して安くはないですが、単体からサウンドシステム内での同期まで活躍できる範囲は非常に広く、「これがあれば他にディレイは必要ない」と言えるエフェクターです。
コメント