Ibanez(アイバニーズ)は日本の楽器メーカーで、星野楽器の製造するギターやベース、エフェクターやアンプを販売しています。
アイバニーズのエフェクター「チューブスクリーマー(TUBE SCREAMER)」は世界的に高い人気を誇っており、1970年代から現在に至るまで、オーバードライブの代名詞として、多くのギタリストに愛用され続けています。
チューブスクリーマーの歴史
アイバニーズがエフェィターの製造をはじめたのが1970年代と、国内でも有数の老舗エフェクターメーカーと言えます。(日本のエフェクターメーカーとして有名なBOSSと同じ年代より製造しています)
1979年に登場したのが初代チューブスクリーマー「TS808」、さらに発売から3年後の1982年には「TS9」にグレードアップし、1985年には「TS10」、1991年に「TS5」が発売されています。特に初期に発売された「TS808」と「TS9」は非常に完成度が高く、現在でもラインナップされている名器です。
チューブスクリーマーの特徴
チューブスクリーマーのサウンドは、下記のような特徴があります。
- エッジが効いた音質ではなく、単体ではあまり歪まない
- かなりミドルレンジに寄った音であり、決してレンジが広いエフェクターではない
このような特徴より、セッティングによっては鼻づまりしたような中途半端な歪みになってしまいます。
少しマイナスの印象となる特徴に聞こえますが、使い方によっては強力な効果を発揮します。その効果は世界中の多くのギタリストに愛されてきました。
ブースターとしての効果
単純な歪みエフェクターとして使用する人は少ない一方、ブースターとして多くのギタリストに愛用されています。
チューブスクリーマーはチューブアンプのブースターとして使用することによって、その魅力を発揮されると言っても過言ではないと思います。
アンプのゲインを上げて粒の粗い歪みになる時に、アンプ側の歪みをおさえてチューブスクリーマーでブーストすることで、心地よいドライブサウンドが得られます。
ハイゲインアンプと組み合わせ、チューブスクリーマーのLEVELを上げてブーストさせることで、ラウドできめの細かい歪みを作れます。
フィルターとしての効果
悪い言い方をすると、高音と低音があまり出ないエフェクターですが、アンプとの組み合わせにより聞きやすく、通るサウンドに変えてくれます。
その特徴により、不要な帯域をカットするフィルターとして効力を発揮します。
フェンダーなど高音が特徴的なアンプと組み合わせることで、出過ぎた高音の角が取れて心地の良いサウンドが作れます。
チューブスクリーマーの種類
TS808(初代チューブスクリーマーの復刻モデル)
1970年代に発売され、多くのギタリストに愛用された伝説のコンパクト・エフェクター「TUBE SCREAMER Overdrive Pro TS808」の復刻モデルです
チューブスクリーマーといえばこのモデルで、長方形のボタン・スイッチが特徴的です。
粘りある中音域と激し過ぎない柔らかな歪みは、このモデルにしか出せない味わいと言われています。
TS9(チューブスクリーマーの代表的機種)
オーバードライブの代名詞とも呼べるTS9チューブスクリーマー。1982年に発売されたオリジナルTS9を当時のまま再現したモデルです。
ウォームで粘りあるドライブサウンドは様々なジャンルのギタリストに愛され続けています。チューブスクリーマーの中でもミドルに寄ったサウンドの為、耳ざわりな高音と低音をカットしマイルドで使いやすいサウンドに出来ます。
真空管アンプとも相性抜群で、クリーンブースターとしても、ドライブブースターとしても使えます。
1万円弱で購入できることからも、1台は持っていると重宝するエフェクターです。
TS9DX(現代的でパワフルな歪み)
TS9に現代的な改良を加えたものがTS9DX(ターボ・チューブスクリーマー)です。
歪みの質を変化させることのできるモードスイッチが搭載され、計4 種の歪みモードを切り替えられます。
- TS9:ノーマルのTS9 サウンド
- +(プラス):TS9 よりも少しざらついた歪み
- HOT:中音域をブースト
- TURBO:パワフルな歪みを得るために中低音域を強力にブースト
TSMINI(コンパクトなチューブスクリーマー)
伝統のチューブスクリーマー・サウンドをそのままにコンパクトサイズに機能を凝縮したモデルです。
コントロールはTS808やTS9と同様に3ツマミですが、TONEとLEVELは小さなノブを採用することで、機能は同じく小型化を実現しています。ただし電池の使用はできません。
コンパクトでありエフェクターボードに組み込みやすく、安価に販売されている為、取り入れやいのが魅力です。
それではどうやって小型化に成功したかを見ていきます!!
TS808HW(こだわりのハイクオリティ・モデル)
TS808のオリジナルを完全手作業で再現したハイクオリティモデルです。
コントロールは3ツマミと同機能ですが、選び抜かれた線材や内部パーツなどで生産され、基本モデルに対し差別化された価格帯であり、上級者のこだわりモデルと言えます。
TS808DX(多機能搭載のデラックスモデル)
オーバードライブとブースターとをひとつのボックス内で組み合わせた新しいチューブスクリーマーです。
通常のTS808に20dbのブースト回路が追加され、あまり歪まないチューブスクリーマーで強いゲインを得られるようになりました。
基本モデルに対しサイズは大きいが、オーバードライブとブースターとを2個のスイッチで踏み分けられ、それぞれ単独でも組み合わせでも使える優れで、2台のペダルを1台に集約したモデルです。
トグルスイッチにより、ブースターをオーバードライブの前か後かを切り替えることができ、幅広いサウンドメイクが可能です。
NTS(真空管Nutube搭載の次世代チューブスクリーマー)
KORG製の「Nutube」を搭載した新しいチューブスクリーマー。このコラボレーションはチューブスクリーマーの「オーバードライブ回路の大変革」と言われ、チューブプリアンプのようにオーバードライブ・サウンドを真空管(Nutube)で生み出します。
これにより自然なコンプレッション感と、マイルドなオーバードライブ、そしてピッキングの繊細なニュアンスも表現できるワイドレンジを実現しました。
MIXコントロールツマミが搭載され、オーバードライブ(OD)とクリーン(CL)のミックス・バランスも調節できます。
Nutube
KORG製の蛍光表示管技術を応用した新真空管で、小型・高寿命・省電力でありながら、真空管ならではの心地よいサウンドと優れたリニア特性を実現
チューブスクリーマー・サウンドをリーズナブルに手に入れる
世界的な愛されてるチューブスクリーマーだけあり、様々なブランドでチューブスクリーマー系のエフェクターをリリースしています。
その中でも非常に安くて、かつオリジナルのサウンドを再現しているエフェクターを下記で紹介しています。
まとめ
多くのプロギタリストに愛用されているチューブスクリーマー。その特徴よりクリーンからオーバードライブまで幅広く活用でき、コストパフォーマンスにも優れる名機です。サウンドメイクのアイテムとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
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